経緯・背景
- 税金を少しでも少なくするために、今からできる節税対策があれば準備しておきたい。
ご提案
- 短期間で一気に贈与すると贈与税がかかるため、時間をたっぷりかけて少しずつ子供に財産を移し時間を味方につけることを提案。それが、結果的に税金を少なくすることになることを伝達。
- 将来、税務署から生前贈与を否認されないよう、生前贈与を行う際の3つのポイントをご提案。
- 生前贈与が未成年者の人生にマイナスに働く場合もあることをお伝えしました。
生前贈与による節税対策が目的だったが、節税は結果論であって目的にすべきではないことを共有
経営者である今回の相談者は、私たちに相談してきた目的は節税対策でした。生前贈与の知識を少しお持ちで、生前贈与で節税をしてきたいということが相談の主旨だったのですが、まずは「相続争いを防止する」「相続時の納税資金を確保する」ことが先であり、その結果として「節税」に繋がれば良いという考え方の順番についてお話しさせていただきました。
相談者自身もその順序に関して理解していただき、理解した上で、生前贈与についての具体的なお話を進めていきました。
生前贈与は時間をかけて行い、時間を味方につけて行うことが大事
短期間で一気に贈与すると贈与税が高額になってしまいます。そのため時間をたっぷりかけて少しずつ子供に財産を移し、時間を最大限味方につけることをご提案しました。時間を味方につけることで、結果的に税金を少なくすることができます。相談者は節税を考えられていたため、じっくり時間を使っていくことについて、納得された様子でした。
将来税務署から否認されないよう、生前贈与を行う際の3つのポイントを伝える
私たちは生前贈与には下記3つのポイントがあると考えています。
・贈与契約書を作成すること
・お金の移動の証拠があること
・多少なりとも贈与税を支払うこと
この3つを準備しておくことで、将来税務署から否認を受けにくい状況を作ることができると考えていることから、さらに詳しくそれぞれの内容についてお伝えしました。
[ 契約書を作成すること ]
口頭でも契約は成立しますが、贈与契約書を作成することで生前贈与を行うことを明確にすること。
[ お金の移動の証拠があること ]
現金で渡すのではなく、銀行口座での管理し通帳で確認できるようにして、資金の流れを証拠として残すこと。
[ 多少なりとも贈与税を支払う ]
贈与税がかからない範囲内で贈与するのではなく、例えば110万円の控除であれば111万円贈与し、超えた1万円に対する贈与税(贈与税の税率は贈与金額によって変わってくる点は注意が必要です)の千円を支払うことで、贈与したことを税務署に申告することにもなり、また控えを持っておけば贈与税を支払った証拠が手元に残すこと。
税務署から否認されないよう、生前贈与を行う際にはこのような点をしっかり行うことが大切であることをお伝えしました。
子供たちにとって生前贈与がマイナスに働く可能性があることを伝達
未成年の子供に通帳などを見せお金を貯めていることを見せてしまうと、「うちの父親は成功し、自分のために多額のお金を貯めてくれている」と慢心してしまうなど、マイナスに働くことがあります。親として子供の心にそのような悪い影響を与えないよう、細心の注意を払いながら贈与を進めていくことが大事であることをお伝えしました。
特に社会人になり仕事し始めたばかりの年代では、これから頑張って働こうという意欲を削ぐ可能性があることも一緒にお伝えしました。
将来的には遺言書の作成も視野に入れておくことをご提案
子供が未成年だと、どのような財産を残すのが良いか判断つかない、また経営している会社を継ぐ意思があるのか、現時点ではわからないといった状況でした。そのため、遺言書を作成するタイミングではないと判断し今回は遺言書作成はお勧めしませんでしたが、子供たちが社会人になり自分たちなりに意思を持ち、ご自身も年齢をある程度重ねた段階では、遺言書の作成は大きな意味を持つと考え、将来的な遺言書の作成をご提案しました。
納税資金に関しても、不動産に偏らないよう注意すべきポイントを伝達
相談者は50代になったばかりでまだまだ現役で働いていることから、今後も財産を増やしていくことは十分可能です。ただ、今後財産を増やす際には、相続税の納税資金のことを考え、不動産に偏り納税資金が不足するといったことにならないよう、その点は注意していただくようお伝しました。
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担当者からのコメント
税理士/菊地 正和
こちらの相談者はその後確定申告のお手伝いもすることになりましたが、相続対策の話題がでた際にも「良い提案をありがとうございました」と感謝の言葉を頂くことができました。その言葉からもご満足されたことが伝わってきて嬉しく思っています。