相談・解決事例

家族信託で父親の財産管理を行い、家族全員納得の結果となった事例

相談者
  • A・Sさん
  • 50代
  • 女性
  • 会社員
相談内容
父親の財産管理について

経緯・背景

  • 父親の預金の引き出しなどを同居していた娘の私(相談者)が行ってきたが、このまま勝手に進めるのはどうなのか?と疑問を持ち始めた。
  • 弟とは相続の時に絶対に揉めたくないと思っているので、父親の財産管理を引き続き行う場合、透明性を持たせたい。
  • そのためにも法的な裏付けがある方法で安心して父親の財産管理を行いたいし、弟も納得できるよう形にしたい。
  • 知り合いから家族信託の話を聞き、ぜひ専門家の話を聞いてみたいと思った。

ご提案

  • 引き続きお父さまの財産管理の自由度を持たせられ、かつ相談者も安心して管理できるため家族信託を組むようご提案。
  • より厳密に進めるため、証人がいてチェック機能がある公正役場で契約にすることをご提案。

今までは娘である相談者がお父さまの財産を管理

物忘れや同じことを何度も言うようになった頃から、相談者がお父さまの通帳から必要な生活費を引き出すなど、財産の管理を行なってきました。お金の管理は任されてやっているし、弟もそう思ってくれているとは思うものの、弟は子どもの頃から細かいことを言う傾向があり、本心のところは分からない。また、弟のお嫁さんがどのように思っているかも気になっている様子でした。

そのようなことに加え、相談者自身も性格的にきっちりやりたいとの思いがあり、この先も任意でこのまま財産管理を続けて良いのだろうか?と不安を感じ始めていました。

お父さまの相続財産の分け方にも、相談者なりの希望があった

相談者は独身で定年後について、少し不安を持たれていました。具体的には「年金だけだと心許ない」といった不安です。お父さまの財産には収益物件が2つあり、その収益を確保したいという思いがある一方で、家族がいる弟さんの方がまとまったお金がいるだろうと、できるだけ弟さんへ配分を多くしてあげたいという希望も持たれていました。

相続税で弟と絶対に揉めたくない

相談者は「弟と相続争いは絶対したくない」と強い思いを持たれていました。また、世間では介護をしている中で親族間で窃盗する事例があるというのを聞いたことがあったようで、弟にはそういったことを微塵も疑われたくない、との思いも持たれていました。

そのような中で、自分がお金を引き出しているのは、法的にどうなんだろう?窃盗と変わらないのではないか?といった疑問が浮かぶようになり、とにかく疑われるのは絶対に避けたいので法的な裏付けが欲しいと考えるようになっていたところ、知人からタイミングよく家族信託の話を聞き、私たちの元へ相談にいらっしゃいました。

このような思いに寄り添い希望を実現するため、法的な裏付け、そして誰がみても明確で透明性があり、安心して管理を進められる内容の家族信託の組成をご提案しました。

相談者も弟さんも納得の家族信託に

実は家族信託を組んですぐに、お父さまが亡くなってしまいました。しかし、事前に家族信託を組んでいたため、相談者が懸念していた相続争いが発生することもなく、相続も非常にスムーズに進み、相談者だけでなく弟さんも非常に納得の結果となりました。

相続の際の登記変更、確定申告時にも頼れる体制がある

お父さまは不動産物件も所有されたいたので、相続時には登記変更が必要になりますが、その際に別の専門家に依頼するのではなく、一緒に頼めることも安心材料になったようです。また、確定申告も税理士の菊地が担当することになり、「安心して依頼することができた」とおっしゃっていただけたのは、専門家が集うチームである私たちの強みが活かされた結果だと考えています。

担当者からのコメント

財産承継支援機構マインズメンバー  司法書士/矢部 祥太郎

司法書士/矢部 祥太郎

家族信託を組んですぐに、お父さまが亡くなられたことには驚きましたが、事前にご家族全員で話し合う機会を持てたことから、大きなトラブルもなく相続もスムーズに進めることができました。これが家族信託の良いところだと考えています。
結果的に、相談者はもちろん、弟さんやお母さまにも喜んでいただき、非常に嬉しく思います。

上手くいかないケース

もし、親の財産を管理している娘さんが何もしなかった場合、細かいことを気にする弟が後から「父親のお金を勝手に使っただろう」と言ってきて、今だに相続争いが続いている...といったことも、十分あり得ますので注意が必要です。

また、家計簿をつけていたにも関わらず、細かい弟さんが粗探しをして文句を言い続け、自体が全く前に進まないケースも実際にありますので、お金の流れを可能な限り透明性を持たせるなど、争いが起こりにくい状況を作ることが重要です。

もし、トラブルになったら...

マインズのメンバーに弁護士が在籍しています。
万が一トラブルになった際には、紛争解決に向け弁護士の河村が対応しますので、どうぞご安心ください。

財産承継支援機構マインズメンバー 弁護士/河村 敦志

弁護士/河村 敦志

トラブルなどない方がよいのですが、トラブルは思わぬことで生じます。一旦トラブルになったら、相手の要求をすべて受け入れるのでなければ、戦わなければなりません。
戦うためにはまずどのような目的を達成したいかを決め、そのうえで戦略、作戦、戦術を練る必要があります。その際のアドバイス、実際の相手とのやり取りをお任せください。

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